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[第10話]伝説のギター・メンテナンス 検証-1『ナットと鉛筆』 2008/10/10

普通一般的に言われているような話じゃ面白くないので、ギター弾き達の間で、コソォ〜と伝え継がれている伝説のギターメンテナンスについて、検証して行こうと思う。

十代半ばにギターを手にしてからというもの、数々の“メンテナンス伝説”に出会ってきた。

前に書いた“煮弦”もその一つ。

今日は、その昔自分もやっていた“鉛筆の芯を使ったナットの手入れ”について書く。

高校生の頃だった。

当時開発されたばかりの最新兵器“フロイドローズ・トレモロ・ユニット(FRT)”をいち早く使ったのは、王者 エドワード・ヴァン・へイレンだ。

フェンダー社が誇ったシンクロナイズド・トレモロ・ユニットの唯一の弱点であった“アーム使用によるチューニングの微妙な狂い”を克服すべく考え出されたこの“FRT”。

その優れた性能と、エドワード・ヴァン・へイレンが使っているって事で、瞬く間に世界中のギターキッズの間に広まって行った。

俺も一生懸命バイトしたお金で、初代FRTにファイン・チューナー機能を加えた、ニューFRTと、ディマジオ社製のハムバッキング・ピックアップを搭載した(どこから見ても、メタルやるしかないだろっ!?ってなルックスの…笑)赤いエクスプローラー・モデルを購入したもんだ。

…(-_-;)ちと、恥かしい(笑)
…で、思い出した(>_<)
このギターはね…自分の不注意による事故で…超短命だったんよ(ToT)…これは…いずれまた書く。

で、このFRTだが、実際使ってみると、チューニングは安定するし、音の変化幅も大きくなったしで、確かにスグレモンだった。

ただ…あまりに簡単に『ビュ〜ン』ってアーミング出来て…拍子抜けしたのを覚えてる。

操作もそうだけど、音も軽いような気がしてね…。

自分的にはシンクロナイズド・トレモロユニットでアーミングした時の『(フヌォ)ゴドォォ〜〜ンンン!』って感じの重い音が好きだったのだ。

なんで、当時はESPでオーダーメイドしたストラトキャスター・モデルのシンクロナイズド・トレモロユニットをアレコレと研究&工夫して使っていた。

アーミングによるチューニングの狂いには、色々と奥の深いところがあるけど、一番の原因はナット部分での弦の摩擦によるズレだ。

なんで、ナットの滑りが良いと、アーム・ダウンで萎んだ(?)弦がリターン後元あった場所に戻り易く、それだけチューニングの確保には有利という事になる。

そこで、登場するのが鉛筆の芯を削った粒子!d(-_-)

これを弦と接するナットの部分にパラパラと少量(あくまでも少量。沢山使うと、手もヘッドも真っ黒になっちまう)ふりかけてやると、滑りは良くなる…(-_-;)…気がした…(?)

これは高校生の頃、色々と悪い事ばかり教えてくれた不良先輩が教えてくれた中の“まともな”事(笑)。

まぁ、こんな事しなくても、楽器店にいけばナットやブリッジの、弦との接触部分に使う潤滑剤を売っているんだが。

で、この“鉛筆芯メンテ”だが、プロのメンテナンスの人に聞いても、『効果はあるはずだ!』との事なんで、興味ある人はやってみては。

ただこの説には、『堅い粒子はナットの表面にキズをつけてしまうから、使用する鉛筆は製図用の高級品で、4Bに限る!』なんてエスカレートしたマニアックなバージョンもあったりする…。

リペアマンに言わせると、ナットはそんなに“ヤワ”じゃないぜっ!との事なんで(笑)、これは問題にする必要はないでしょう。

ん?俺?
うん、今はアームを使わないから、もうやってないよ。

あっ!ついでに言っておくけど、滑りをよくする為って事で“油”を注いだりしちゃダメだよ!
弦やネックの木の部分にあまりよろしくないらしい。

以上、鉛筆の芯によるナットのメンテナンス話終わり。

じゃねぇ〜!

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