SPECIAL

[第31話]ざぐり 2009/08/21
さて、今回はギターの改良話。
中でも、かなりマニアックなのを紹介しよう。
ギター弾きの諸君、“ざぐり”ってご存じかな?
その昔、まだフロイドローズ・トレモロ・ユニットが完成される前の話しになるが、ジミ・ヘンドリクスの使用によって一世風靡した、フェンダー・シンクロナイズド・トレモロ・ユニット。
このシンクロナイズド・トレモロ・ユニットをフローティング(ブリッジのテールエンドがボディから少し浮いている状態)にセッティングして、よりピッチの変化幅を稼ぐためにボディを削りとる作業。
これを“ざぐり”という。
今となっては、こんな事する人はあまりいないし、乱暴といえば乱暴な作業じゃが、昔のギター弾きは、自分の望むベストなセッティングを目指して、色々と工夫したものなのだ。
もちろん俺もやったd(-_-)
バイトして初めて手に入れた安物のアリア・ストラトモデル。
こいつは、ド素人〜HITOSHI少年の研究心&好奇心&冒険心を満たす為にありとあらゆる改造&改良を加えられ、最後にはヒドい姿になっておった(笑)
夜中に友達が来てね、ギターをバラバラに分解して、さて今日はここをいじろうかっ!
あ〜でもない、こ〜でもないって。
で、ざぐりは、新聞紙の上で彫刻刀使ってやったのを覚えている。
当時俺は“アーム小僧”でね。
フロイドローズ・トレモロユニットはエドワード・ヴァン・へイレンが使用して発表されたばかりだったから、まだ数も少なく、取り寄せるにしても発注に生産が追いつかず、時間がかかったし、なにより高価だった。
発表から一年位経っても、確かトレモロユニット自体で30万円位はしていたと思う…とても田舎高校生の俺には手が届かなかった。
なんで、少しでも新兵器フロイドローズに近付きたくて、セッセと彫刻刀を動かしておったのだ。
結論だけ言おう。
どおしても、シンクロナイズドの重いアーム音が欲しくて、この作業をやろうとするなら、職人さんに頼んだ方がよろしい…少なくとも、彫刻刀ではやらない方が…(笑)
ほいじゃ〜のっ!
(^-^)/~
♪HITOSHI♪