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[第44話]LORANニューアルバム『やまない風』全曲解説〜11 2010/09/08
10.トマト
今回はアルバム『やまない風』の10曲目、“トマト"について。
これもまた後半の怒涛のレコーディング期間に録った曲。
LORANって、意外と三連系の曲が少ないから、『リズムはシャッフルで、ライブで盛り上がれそうな曲を!』ってのが最初に抱いてたイメージ。
原形は…あっという間にできた(笑)
そりゃね、ロックンロールじゃもん、あんまり難しく考えて捻り出すもんじゃないですよ!
で、そんなこんなしてた頃のある日。
通勤時に聴いてたのは、ロバート・ジョンソンの“THEY'RE RED HOT"
ちょっと大袈裟ですが、雷にうたれたように閃いた!
『あ〜っ!これだっ!』って。
トマトを女性に見立てるアイデアはここから頂いた。
毎年トマトを作っては大喜びしとる俺はそこで『そうだ!“トマト"を歌詞で使うなら、この際とことん“俺"って感じでまとめちゃえ〜!』ということになり、トマト(女)→酒(ジャックダニエル・シングルバレル)→車→ボトルネックと、こうなった。
さて、ギターのお話しをしましょう。
この曲は何と言ってもボトルネック奏法!
去年あれだけスライドバ−作りに没頭し(照笑)、奏法の研究もしたんだから是非ともやりたかった。
で、本当は内緒にしておこうかとも思ったが、それもケチくさく思えるんで…書く。
この曲のギター。
チュ−ニングをね、細工しとるのです。
難しそうに言うと1弦から4弦まではオ−プンG、4弦から6弦はオ−プンD…簡単に言うと結果的に1弦と6弦を全音下げてるだけ。
名付けるなら“オ−プンG&D"とか“ダブルドロップD"。
これ、今回が初めての俺のオリジナル・チュ−ニング。
ロックバンドでスライドプレイやるには結構都合よいと思うよ。
自分の場合どちらかというとオ−プンGで弾く事が多く、慣れてもいた。
で、それでいて低音の厚いパワーコ−ドも欲しくなって、考え出したのです。
低音って事ならオ−プンGだと6弦と4弦&5弦と3弦でオクタ−ブ奏法が可能なんだけど、やっぱりロックにはROOT+5thのパワ−コ−ドでガ〜ンってのも欲しくなるでしょ?
そいつをスライドバ−でギュイ〜ン!と引っ張り上げたりしたら、それだけで昇天モノじゃもん、ハイ。
6弦だけ全音下げだと、6弦から4弦にかけてが、ROOT+5th+ROOT(6弦のオクターブ上)の分厚いパワ−コ−ドになるわけで、尚更強力&大昇天モノとなる。
ただ…慣れ親しんだ音の並びじゃないから最初はよく間違えた。
あ、今はもうほぼ完璧だよ!
この先もっと可能性を探ってみようと思ってます。
ふぅ〜、長くなった。
最後にこの曲の強力なコ−ラス部隊を紹介して終わりにしよう。
Aメロで聴けるメインヴォ−カルの1オクタ−ブ下ユニゾンはYASS。
かなり濃いめのニュアンスをつけて歌ってる。
これ単独で聞くと結構イヤラシイです(笑)。
それ以外の“イケイケ・コ−ラス"は俺と俺の生徒達。
『Na Na Na〜』と『so sweet〜』の部分は自分も含め全員で何度か重ね録りした。
これ(重ね録り)人数感を出したいときによく使うテだ。
紹介しよう。
写真右上が自分の教え子の中で最も長い生徒の“大(ダイ)ちゃん"こと鈴木 大。
もう14年もギターを教えてる。
その割には…(笑)
右下はAC/DCの母国、オ−ストラリアからやって来たSTEPHEN BARKER(スティ−ブン バ−カ−)。
通称“スティ−ブ"。
曲中で聴ける喋りの部分をやってくれた。
あ、英訳も彼だよ。
ここの英文はわざと歌詞カ−ドに載せてない…ん?
いや、なんとなく(笑)
やっぱり日本人とは発音&ノリが違うからイイ感じに仕上がったと思う。
で、最後。
左下は唐津 侑里(カラツ ユリ)ちゃん。
通称“ユリッペ"。
『I LOVE YOU〜』の部分を俺と一緒に歌ってる。
確かこの部分も何度か重ね録りしたと思う。
ユリッペは最近バンド活動を本格始動させて頑張ってる。
応援してやって!
バタバタしててな〜、皆を録音当日に急遽スタジオへ呼び出して夜遅くまでの作業になっちゃったんだよな〜(笑)
うん、ありがとう!!
あ、英訳という部分で、もう一人、石崎 栄吉氏にも協力してもらったわ。
本当に皆、ありがとう。
お陰でイカしたロックナンバ−が生まれたよ!!
そ〜れっ!
『Na Na Na Na Na Na Na〜♪』
じゃね〜(^-^)/~
♪HITOSHI♪